仮説思考に関する法人内研修を実施しました!

当法人では、定期的に法人内メンバー間で法人内研修を実施しています。
今回は、先日実施した法人内研修の内容の一部をご紹介したいと思います。

税理士業務では、各税法等に準拠して税務サービスを提供しております。そのため、個別具体的な答えとまではいきませんが、大枠の答えは税法等によりほぼ決まっています。ですので、どちらかというと答えの決まっている世界での頭の使い方に慣れていると言えます。ただ、私たちが日々接している経営者の方々は、将来にならないと正解が何なのかが分からない問題や、問題と正解が目まぐるしく変化する問題に直面していらっしゃいます。そこで、今回の研修では答えのない演習問題を設定し、法人内メンバー各人で答えを出す、ということを実施しました。いわゆる仮説思考といわれているものです。

問題:日本国内の税理士に対する報酬ベースの事業承継マーケット規模(年間)を教えてください。
(インターネット等どのような手段を用いても良いが、制限時間は15分)

さて、読者の方々はこのような問題を出されたらどのように回答されるでしょうか。
実は、上記の問題に直接答えているウェブページ等は存在しません。自分で答えを作り出さなければならないのです。以下、法人内メンバーの回答の一部をご紹介します。

佐藤さんの回答:
年間で実際に廃業・解散している法人の数が25,000件(資産超過企業)・・・①
事業承継のために認定支援業者へ相談している年間件数が30,000件・・・②
1件当たりの税理士等への報酬が平均100万円・・・③
よって、年間の市場規模は、(①+②)×③=550億円

池田さんの回答:
国内の中小企業数が380万社・・・①
そのうち黒字の企業の割合が60%・・・②
社長が60代である企業割合が34%・・・③
社長が70代である企業の割合が24%・・・④
1件当たりの税理士等への報酬が平均50万円・・・⑤
国内中小企業で黒字企業のうち、60~70代の企業が10年間で事業承継を実施すると、
年間の市場規模は、①×②×(③+④)×⑤÷10年=662億円

法人内メンバーからは、「難しかった」という者もいれば、「こういう問題を考えるのが楽しい」という者もいました。ただ、15分あれば上記のように一応の答えは出ます。この推定値をベースに、積極的に事業承継マーケットに切り込んでいくべきかどうかの戦略を議論していくことになります。それと同時に仮説の検証を進めていくことになります。もし情報を一から集めていたら、他の業務もある中でどれくらいの日数が必要だったでしょうか。情報収集して答えが出るまで、戦略の議論ができず指をくわえて待っていなければなりません。このあたりについて、仮説思考の必要性を次回お話しします。

ひまわり税理士法人
蓮原 亮

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