役員や個人の事業主にとって節税効果の高い小規模企業共済をご存じですか?

小規模の企業の役員や個人事業の事業主が加入できる経営者のための「退職金制度」として、国の機関である中小機構が運営する「小規模企業共済制度」があります。小規模企業共済制度の掛金は、掛金の全額が所得税額控除の対象となるため、節税効果が高いものとして小規模の経営者の多くに利用されている制度です。

加入資格

従業員の少ない企業の役員や個人事業主のみが加入できますが、業種や従業員の人数により加入資格は異なります。詳しくは、中小機構の加入資格が記載されているホームページでご確認ください。
(中小機構の該当ページはこちら

※加入資格に記載されている従業員の人数は加入時点の人数のため、その後従業員の人数が増えても加入資格は失われません。

メリット・デメリット

メリット

  1. 掛金は全額所得税控除となり、所得税および住民税が安くなります。
  2. 役員を退職した場合、個人事業を廃業した場合に受け取る共済金は、一括受取りの場合は退職所得扱いに(後述を参照)、分割受取りの場合は、公的年金等の雑所得扱いとなります。
  3. 資金が必要になった際には、今まで掛けた掛金の範囲内(掛金納付月数により掛金の7~9割)で借入をすることが出来ます。
    その際の利率は、用途により0.9%又は1.5%となっています。(平成30年6月現在)

デメリット

  1. 掛金納付月数が12か月未満の場合は、掛け捨てとなります。ただし、法人が解散した場合や個人事業を廃止した場合には、6か月未満の場合が掛け捨てになります。
  2. 掛金月数が240ヶ月未満で任意解約すると、解約返戻金が掛金よりも少なくなります。(掛けた月数に応じて掛金総額の8割~10割未満の間の解約返戻金を受取れます。

節税効果

(例)給与年収が600万円、社会保険料控除90万円、生命保険料控除4万円、扶養1名の場合

① 小規模企業共済をかけなかった場合

所得税161,800円 住民税269,600円 合計431,400円

② 小規模企業共済を月3万円掛けた場合(年間36万円)

所得税125,000円 住民税233,600円 合計358,600円

③ 所得税・住民税の1年間の節税額 ①-②=72,800円

④ この事例で25年後に、一時金で共済金を受け取った場合…退職所得扱い

共済金額 900万円(退職事由により共済金額は異なります。)
退職所得控除額 1,150万円 控除額の方が多いため、所得税・住民税0円。

⑤ 25年間の節税額

72,800円×25年=182万円

 

掛金は、月額1,000円~7万円まで500円単位で掛けられます。今回の試算よりも掛金を多く掛ける場合や収入が多く所得税の税率が高い方は、より多くの節税効果を受けることが出来ます。

資金が必要で任意解約を検討する場合には、貸付金制度の使用を検討し、掛金を払い続けることが困難な場合には、掛金の減額を検討することにより掛金の元本割れのリスクを回避し節税効果を高めることにつながります。

銀行の金利もほとんど付かない時代に約20%(設例の場合、節税額72,800円/年間掛金総額360,000円)の資産を増加させるものはなかなかありません。

この制度にご興味のある方は、当法人で加入手続きを行っておりますので、ご連絡いただければパンフレット等をお送りいたします。

ひまわり税理士法人
財満 務

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