名義預金は誰のもの?

先日、小学生の姪の運動会を見学してきました。真剣に競技に参加している姿や、枯れるほどの大声で応援している姿に感動してしまいました。そして、周りを見渡すと、孫の応援に来ている祖父母世代の多さにびっくり。これも少子化のせいなのか、はたまた、炎天下でも応援できるほど元気なご老人が増えたおかげなのか。

そんな祖父母が、孫名義の通帳にお金を振り込んで贈与している話をよく耳にします。ただし、孫に預金の存在を知らせず、通帳の保管・管理も祖父母が行っている状態で祖父母に相続が発生した場合、孫名義の預金が相続税の対象になることがあります。このような預金は、「名義預金」と呼ばれ、相続税の税務調査でも申告漏れを指摘されることが多いです。

祖父母は、孫の口座にお金を振り込んだだけで贈与が成立したと思われるかもしれませんが、贈与とは、贈与者が財産をあげる意志表示をし、受贈者が財産をもらう意思表示することによって成立します。孫が預金の存在を全く知らなかった場合、もらう意思表示をしていませんので、贈与は成立しなくなります。

贈与が成立しなくなると、孫名義の預金残高も祖父母の名義預金となってしまいます

将来、名義預金と判断されないよう、以下の点に注意していただきたいと思います。

  • 贈与契約書を作成する
  • 通帳・印鑑・キャッシュカードなどは贈与された人が保管する
  • 預金の管理運営は贈与された人が行う
  • 銀行振込で贈与する

孫が未成年者の場合、贈与契約書の署名や通帳等の保管は親権者が行うことになると思います。

預金の引き出しや定期預金の書き換えなども、祖父母が行ってしまうと名義預金として判断される可能性がありますので、孫や親権者が行いましょう。

ひまわり税理士法人
佐久間 曉子

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