従来の医療費控除の特例として、「セルフメディケーション税制」というものが平成29年度確定申告から適用されています。最近、セルフメディケーション税制の認知度は10%しかない、という記事を見かけたので内容を簡単に説明したいと思います。
セルフメディケーション税制とは、健康の保持増進及び疾病の予防への取組として一定の取組を行っている方が、平成29年1月1日以後に自己又は自己と生計を一にする配偶者その他の親族のために特定一般用医薬品等購入費を支払った場合には、一定の金額の所得控除(医療費控除の特例)を受けることができます、というものです。
健康の保持増進及び疾病の予防への取組として一定の取組を行っている方とは、インフルエンザの予防接種や市区町村が行う健診、会社で行う健康診断を受けている人をいいます。
特定一般用医薬品等とは、薬局で売っている市販薬のうち厚生労働省がセルフメディケーション税制の対象としている市販薬になります。薬局でもらうレシートに対象となる市販薬には対象となる印が通常記載されているので、レシートを確認してもらうと分かると思います。どのような市販薬が対象になっているかは下記の厚生労働省のホームページで確認できます。<厚生労働省の該当ページはこちらをクリック>
控除額は、特定一般用医薬品等購入費の合計額から1万2千円を控除した金額となります。(控除額は8万8千円が限度なります。)
控除を受けるには、所得税の確定申告書にセルフメディケーション税制の明細書とインフルエンザの領収書や健康診断を受けた内容が分かるものの添付が必要になります。
セルフメディケーション税制は、従来の医療費控除との選択適用になりますので、医療費が多い人や市販薬を購入してない人は、従来の医療費控除を受けることになります。
病院には、あまり行かず市販薬を多く購入していて、会社で健康診断を受けているような方は、従来の医療費控除(年間、通常10万円超の購入)よりもハードルが低い1万2千円超の購入で医療費控除が受けられますので、対象になるか検討をしてみるのもいいかもしれません。
ひまわり税理士法人
財満 務