確定申告時期や年末になるとふるさと納税の話題が多くなりますが、年末まで日にちがある今の時期にゆっくり考えてみるのもいいかもしれません。今回はふるさと納税について簡単にお話ししたいと思います。
「今は都会に住んでいても、自分を育んでくれた「ふるさと」に、自分の意思で、いくらかでも納税できる制度があっても良いのではないか」という趣旨から生まれたのがふるさと納税制度です。
ふるさと納税は、「納税」という言葉がついていますが、実際には、地方自治体に対する「寄附」になります。地方自治体に対する寄付のため、所得税の確定申告をすることにより所得税や住民税の寄付金控除として下記の算式により計算した金額がそれぞれの税金から控除されます。
1.所得税の控除額
所得税の控除額=(寄付金の額-2,000円)×所得税の税率
2.住民税の控除額
次の方法で計算した額が、翌年の個人住民税の所得割額から控除されます。
A 住民税基本控除 (寄附金の額-2,000円)×10%
B 住民税の特例控除 (寄附金の額-2,000円)×(90%-所得税の税率)
個人住民税の控除額 = A+B
ただし、Bの額で算出された税額控除額については、個人住民税の所得割額の20%が限度額となります。
ふるさと納税は、寄付の謝礼として地域の特産品が簡単に貰えるというような内容のCMが流れ、ふるさと納税を扱っているサイトが増えたことにより利用する人が増えました。
ふるさと納税をする上で、気をつけたい点をいくつかあります。
寄付金の実際の負担額が2,000円で謝礼品をもらうことを考えている人は、収入や収入の種類・扶養の有無や人数によって寄付金の限度額が異なります。
総務省・ふるさと納税のHPに寄付金の限度額の目安が記載されています。
総務省のHPでだいたいの目安はわかりますが、民間のふるさと納税サイトなどでもう少し詳しく目安を試算することもできます。試算する際の注意点は、寄付する年の情報を概算で入れることです。算出された金額はあくまで概算なので寄付金の限度額には余裕を残して寄付をすることをお勧めします。
寄付金の手続きには、ふるさと納税サイトによりいろいろな寄付の仕方があります。カード払のように即日処理がされるものはいいのですが、郵便振替のような場合には1週間ぐらい手続きに要します。年末などは寄付が翌年にならないか支払方法には注意が必要です。
また、寄付してから税金で控除されるまでには相当の期間がかかり、金銭の支出が先行してしまいます。資金に余裕がある場合のみ行うようにしましょう。
最後に最も基本なことですが、寄付をする際には正しく情報を記載するようにしましょう。住所等が正しく記載されていないことで、書類や謝礼品が届かないことが相当あるようです。
謝礼品は地方自治体によりいろいろなものがあります。生まれた土地、育った地方、思い出のある場所、それぞれの地域の特産品など考えながら上記のことを考慮してゆっくり寄付先を検討してみるのもいいかもしれません。
ひまわり税理士法人
財満 務