地方創生を理念に掲げスタートしたふるさと納税も、今年で10年目となりました。
総務省の調査によると、2013年まで77億円から145億円の間で推移していたふるさと納税の受入額が、2014年には2倍以上の388億円まで増えています。なぜこの時期に増えたのか、理由はいくつかあります。
- 返礼品の充実
- インターネットのサイトから気軽にできるようになったこと
- 税額控除の上限が引き上げられたこと
その後も受入額は毎年増加し、2017年度は3,653億円の受入額になりました。
出典:総務省ふるさと納税に関する現況調査結果(平成29年度実績)
そんな中、2017年、2018年と2年続けて総務省から返礼品に関する是正通知が出されました。通知には、次に掲げるような返礼品は、ふるさと納税の趣旨に反するため送付しないようにすることと書かれています。
- 商品券など金銭類似性の高いもの
- 電気・電子機器、貴金属など資産性の高いもの
- 価格が高額なもの
- 寄附額に対する返礼割合が3割を超えるもの
- 地場産品でないもの
是正していく自治体が多いことから、今までのような魅力的は返礼品については、今後減少すると考えられます。
返礼品ばかりに注目が集まりがちなふるさと納税ですが、返礼品のないふるさと納税もたくさんあります。三重県いなべ市では、10月10日から国内初の取り組みを始めました。使われていない楽器を寄附してもらう「楽器寄附ふるさと納税」です。この制度は、楽器が不足して困っていた中学生の声を受け、同市が考案しました。
「楽器寄附ふるさと納税」は、専用サイトから申し込みをすると、委託先の企業が査定を行います。査定額に納得すると寄附が成立し、楽器は市へ、寄附者は査定額を税額控除することができます。物品の返戻品は送らず、演奏会への招待を検討しているそうです。
返礼品を比べながら自治体を選ぶことも、ふるさと納税の楽しみの一つです。また、自宅に眠っていた楽器を送ることにより、中学生に喜んでもらえることも嬉しいことです。色々なふるさと納税がありますので、皆様の目的に合ったふるさと納税先を見つけて下さい。
ひまわり税理士法人
佐久間 暁子