子が死亡しているケースは孫に相続権があり代襲相続が行われる
代襲相続によって孫や曾孫、甥、姪などが相続人になることがあります。代襲相続とはどのような場合でしょうか?確認しておきましょう。
子が死亡していれば、孫が代襲相続をします
被相続人の子供が死亡しているケースでは、その孫に相続権があります。
被相続人に子がいる場合は、子が相続人となります。しかし被相続人の死亡以前に、すでに子が亡くなっていた場合には、どうなるのでしょうか?
A:
このような場合は、被相続人の孫が、遺産を相続することになり、これを代襲相続といいます。
孫も死亡していた場合には、その孫の子、つまり被相続人の曾孫が代襲相続することも、認められています。曾祖父の遺産を、曾孫が相続するわけです。その代襲相続人となることができるのは、被相続人である子の直系卑属である子であり、死亡など一定の事由により相続権を失った人に代わって、これらの代襲相続が次々と認められていくことになります。
代襲相続は、相続人である子が相続開始以前に死亡したときだけでなく、相続欠格や相続廃除によって、相続権を失ったときにも認められます。
なお、相続放棄によって相続権を失った場合には、代襲相続は認められておりません。
兄弟姉妹の相続についても代襲相続が認められる
代襲相続は、被相続人に子も直系尊属もいない場合には,被相続人の兄弟姉妹が相続人となる場合も認められています。つまり、その兄弟姉妹が被相続人の死亡時以前に死亡、相続欠格や相続廃除によって相続権を失っていた場合には、兄弟姉妹の直系卑属である子、つまり被相続人の甥・姪が相続します。
ただし、被相続人の甥・姪がすでに死亡している場合に、甥・姪の子が代襲相続することはできません。その点は、被相続人の子についての代襲相続とは扱いが異なりますので、注意が必要です。
代襲相続・相続排除・相続欠格とは?
代襲相続とは、本来、相続人となるべき相続者が、相続開始前に死亡していたり、相続排除・相続欠格により相続権を失った者に代わって、その子供達、更に孫などが相続する制度のことです。
相続廃除とは、被相続人が民法892条の定めるところにより相続権を有する相続人に著しい非行の事実がある場合に、家庭裁判所に”推定相続人廃除調停申立て”をすることにより推定相続人の持っている遺留分を含む相続権を剥奪する制度です。
廃除の対象者は1028条により遺留分が認められている被相続人の兄弟姉妹以外の相続人に限られる。被相続人の兄弟姉妹も推定相続人となりうるが、これらの者については遺留分が認められていないので(1028条)、相続人は902条1項により相続分を指定することで相続させないようにすることができることから廃除の対象とはならない。
ただし、その相続人に子がいる場合にはその子供に相続権が移行されることになる(代襲相続)。相続人の子が未成年の場合は相続された財産を相続廃除された人間が好き勝手に使われる可能性があるが、その可能性を排除するためには、財産管理権喪失や親権喪失の申し立てをして、相続廃除された人間の権利を制限する必要がある。
廃除の理由となる場合
相続欠格(そうぞくけっかく)とは、相続において特定の相続人につき民法891条に規定される不正な事由(相続欠格事由)が認められる場合に、その者の相続権を失わせる制度です。