中小企業社長の世代交代のための事業承継税制 その1

4月に入り暖かくなってきたので、どこか出かけたいと思っている今日このごろです。さて、最近、会社の事業承継について耳にすることが多くなってきましたので、事業承継税制について書いてみます。

中小企業の事業承継は、一般的にその中小企業の大部分の株式を、後継者に引き継がせて事業を承継させます。中小企業は、オーナー社長であることが多く、社長がその会社の株式を所有している場合がほとんどです。その先代社長が高齢のため社長引退し後継者が会社経営を引き継ぐ場合や先代社長が亡くなった場合は、中小企業の安定経営を図るため、通常は後継者がその中小企業の株式を引き継ぐことが多いです。

しかし、業績の良い中小企業ほど株式の評価額も高くなり多額の贈与税又は相続税が発生してしまいます。株式は安定経営のため後継者が所有する必要があり、すぐに現金化できるようなものではありませんので、納税資金の捻出に困ってしまいます。納税のため優良中小企業を廃業しては、多くの雇用機会などが失われ、国にとっても損失となります。優良中小企業が継続的に経営を行っていくに当たって1つの壁となる税金面を取り払う趣旨で、事業承継税制が平成21年に制定されました。

事業承継税制とは、①「非上場株式の贈与税の納税猶予」と②「非上場株式の相続税の納税猶予」とを言い、中小企業の株式の贈与又は相続により発生する税金を一時猶予して、一定の要件を満たせば、その猶予された税金を免除する内容の税制です。

一般的な流れとしては、先代社長が生前に後継者へ株式を贈与し、①「非上場株式の贈与税の納税猶予」を適用します。先代社長が亡くなった時に納税猶予された贈与税が免除され、その生前贈与した株式を相続により取得したものとみなし先代の遺産に加算されて相続税が計算されます。その株式に係る相続税について、②「非上場株式の相続税の納税猶予」を適用します。

この納税猶予の制度は、先代社長から後継者へ経営を引き継ぎ、継続して中小企業の存続させることが目的となっていますので、どの会社や人でも無条件で適用できるわけではありません。その目的に沿った一定の要件を満たす場合に適用することができます。この一定の要件が平成30年度で改正される予定です(平成30年4月4日現在、国会審議中)。要件が緩和され以前よりも納税猶予制度を適用できるケースも増えて来ると思いますので、事業承継が必要な方は適用の有無を1度検討してみては、いかがでしょうか?

次回の私のコラムで、非上場株式の贈与税の納税猶予を説明します。

ひまわり税理士法人
池田 和彦

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