相続人が複数いる場合の遺産分割
相続人が複数いる場合、相続財産は,これら複数の相続人で遺産分割をしなければなりません。遺産分割の主な方法は3つあります。
分配される財産の額や内容を決める遺産分割
複数の相続人がいる場合には、相続財産を相続分に応じ、各相続人に具体的に配分していく手続きが必要になります。これを遺産分割といいます。
実際の遺産分割では、法定相続分とは異なった形で、各自に分配される財産の内容や、金額などを決めることができます。たとえば、妻と子ひとりが相続人の場合には、妻と子の法定相続分は、それぞれ2分の1ですが、遺産分割によって、妻に遺産の3分のl 、子に遺産の3分の2を分配することもできます。
相続人は、いつでも遺産分割を求めることができますが、被相続人の遺言により、一定期間分割を禁止したという場合は例外です。また、相続人同士の協議や調停、家庭裁判所の審判でも、一定期間分割を禁止することが可能です。禁止できる期間は、どちらの場合も相続開始時から5年が限度とされています。
遺産分割の3つの方法
遺産分割には次の3つの方法があります。
①現物分割……たとえば「不動産は妻に」「株式は長男に」というように、遺産を現物のまま分配する方法
②換価分割… …遺産の一部または全部を金銭に換えて、その代金を分配する方法
③代償分割……特定の相続人に遺産の現物を取得させ、その取得した者が他の相続人に対して、金銭などの自己の財産を代わりに支払い補てんする方法
そのほかには、相続人それぞれが取得するのではなく、相続人の数人または全員で、相続財産の全部または一部を共有する分割方法なども、認められています。