安易な相続税対策を行うと・・・

相続税の基礎控除額引き下げが、「相続税対策ブーム」

平成27年からの相続税の基礎控除額引き下げが、「相続税対策ブーム」を引き起こしています。消費税増税以降、戸建て住宅やマンションの建設需要は伸び悩んでいるにもかかわらず、賃貸住宅の建設需要だけは伸びていることからも明らかです。しかし、私はこの光景をみて、バブル時の相続税対策による悲惨な事例が再来しないことを祈るばかりです。バブル期には借入金を組んで賃貸アパートを建てるという相続税対策が流行しました。これにより相続税の支払いを大きく圧縮することができるからです。

人物が特定できないようにするため、多少脚色しますが、
上場企業オーナー一族のAさんは、バブルによる株価高騰もあり、相続財産が50億円近くにも達することが判明しました。そこで、銀行借り入れで賃貸アパートを何棟も建築しました。
しかしその後バブルは崩壊、アパートの入居状況も思わしくなく、アパートの賃貸収入から借入金返済を賄えなくなりました。
銀行は担保に供されていた賃貸アパートを売却して回収を図りますが、不動産市況が悪化に転じたため、借入金を全額返すことはできません。

結局、Aさんは最後は全財産を失うどころか、銀行からの借入金が5億円も残ってしまいました。
安易な相続税対策を行うと、50億円の財産が、5億円の借金になることもあります。

バブル期の相続税対策の失敗を繰り返さないようにするのが私たちひまわり税理士法人の役目だと考えております。

都心部では2人に1人が相続税の申告が必要な時代に?

平成27年に相続税の基礎控除が引き下げられた結果、相続税の申告が必要となるケースが増えてきています。私の事務所でも明らかに相続税の案件が増えており、中には「こんなありふれた一般の中流家庭であっても相続税がかかるのか!」と驚くケースも少なくありません。都心部では亡くなった人のうち2人に1人は相続税の申告が必要と言われているようですが、決して大げさな話ではありません。都心部に持ち家があれば、それだけで基礎控除額を上回ってしまいます。

ですから、「うちはお金もあまりないから関係ないよ」というのではなく、一度税理士など専門家に、「うちは相続税の申告が必要なのか?」「相続税はどのくらいかかりそうなのか?」をシミュレーションしてもらうことをお勧めします。
我が家は相続対策が必要なのか、そしてどんな対策をすべきなのか、それを判断するためにはまず我が家の実情を把握しなければ始まらないからです。

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